装着

mumemo672004-12-10

 なんの工夫もないままに無口蓋義歯セットになってしまいました。一応、口蓋くりぬき部の辺縁はビーディングして、封鎖を確保しました。その辺縁というのはポストダム域のように柔らかい軟組織の部位、粘膜の厚みのあるところに設定しなければいけないと思うので、症例によって辺縁の設定も微妙に違ってくるのではないかと思います。今回は結構上手くいった気がします。上顎隆起の影響が強い人、粘膜の薄い人は無口蓋義歯の適応ではありませんね。
 咬合調整を行い、咬頭嵌合位で咬み込む分には義歯が粘膜に、より密着してかなりの吸着を得られました。しかし、対合歯列咬合面が不正なこと、咬合調整がまだ不十分なことから、側方滑走運動をした後には義歯が転覆し、辺縁封鎖が弱くなってしまいます。今後どうなるか要注意、要調整です。
 考えてみたら違和感を訴え、口蓋に床を起きたくないと患者さんが希望したら、最近の歯科界の流れとしてはインプラントを併用するのではないでしょうか。今更、単なる総義歯より難しい、無口蓋義歯を作ろうなんて思うドクターはいませんね。(うん、うん、そりゃそうだ。) しかし、「インプラントは嫌だ、でも口蓋は覆って欲しくない..」という患者さんは必ずいると思うので、無口蓋義歯ができる数少ないドクターの一人になれればいいかな〜〜、と自分の歯科治療を正当化して、満足しています。