皮膚上マーク
大学で学生教育にたずさわっていると、学生や研修医がやるちょっとした間違いを良く目にします。同じ間違いを多くの人がやっていたりするんですよね。
ちょっと、考えれば変なことにすぐ気がつくのですが...
そんな小ネタを書きためてみようかと思います。
もしかしたらみなさんにも参考になることもあるかもしれません。
早速、第1弾「皮膚上マーク」です。
総義歯症例で咬合採得する時に、皮膚上に紙絆創膏を貼って、
マークをつけ、鼻下点とオトガイ点の距離を測りますよね。
これって、口腔内に計測する評点である「歯」がないから、
先人達がいろいろ苦労して考えたあげく、
苦肉の策として、皮膚上の点を計測するようにしたのだと思います。
だって、皮膚なんて筋肉の緊張の仕方で、
距離は容易に変わってしまうのですから、
こんな当てにならないものはないわけです。
でも、口の中に歯がなくて、
咬ませることができない..、
計測できないので..、
仕方なく皮膚上の点を参考とするわけです。
それでも、自分は咬合床を咬ませて、
粘膜面の距離を測るようにしています。
硬い物を計った方が、距離の誤差は出にくいですものね。
たまに有歯顎症例なのに、多数歯欠損だからと、
「総義歯症例に準じて...」と言いながら、
皮膚上にマークしている人を見かけます。
参考にするのはいいですが、写真のように
残っている歯と歯の歯頸部を計測した方が絶対エラーが少ないですよね。
みなさんはどのようにしていますか?